AIが提案!「甲子園」で新聞社がコラボ? 驚きのデジタル会員増加策
こんにちは。あしたメディア研究会の亀松です。
昨日、<読売・朝日・日経の強みと弱みは? ChatGPTに「3C分析」を聞く>というタイトルのニュースレターを配信しました。読売・朝日・日経という3つの新聞について、ChatGPT(GPT-4版)に3C分析(Company/Customer/Competitor)をしてもらったうえで、マーケティング戦略やデジタル有料会員の獲得戦略を考えてもらいました。
その結果をニュースレターで伝えたところ、朝日新聞の分析について、某新聞社の現役社員Aさんから「ほぼ業界での認識と一致していると感じたが、一部の分析に違和感がある」という指摘がありました。
ChatGPTが示した朝日新聞の3C分析の結果は、次の通りです。
朝日新聞:知的好奇心を刺激する朝日
Company(企業)
【強み】朝日新聞は、高いジャーナリズムと独自の視点での報道が評価されており、知識層や専門家に支持されています。また、社会問題や国際情勢に関する深い分析が特徴です。
【弱み】読者層が知識層や専門家に偏っているため、一般的な大衆にはアピールしづらい面があります。
Customer(顧客)
【強み】朝日新聞の読者は、知的好奇心が旺盛で情報に敏感な層が多く、広告主にとって価値の高いターゲットとなります。
【弱み】広告主にとって、ターゲット層が限定されるため、マスマーケティングには向かない可能性があります。
Competitor(競合)
【強み】高いジャーナリズムと独自の視点での報道が評価されていることから、競合他社と差別化が容易です。
【弱み】他の新聞が一般的な大衆向けの情報提供を強化する場合、朝日新聞は競合との差別化が難しくなる場合があります。
マーケティング戦略
朝日新聞は、知識層や専門家をターゲットにした広告主に対して、その読者層の質の高さをアピールするべきです。また、デジタル化に対応し、オンラインでの読者獲得に力を入れることが重要です。さらに、若年層へのアプローチを強化するため、新しいコンテンツやコラボレーションを検討するべきです。
ChatGPTが示した「デジタル版有料会員」増加のためのマーケティング戦略
某新聞社の社員Aさんの指摘
このChatGPTの分析に対して、Aさんから次のような指摘がありました。
Competitorに関する「弱み」として、「他の新聞が一般的な大衆向けの情報提供を強化する場合、朝日新聞は競合との差別化が難しくなる場合があります」となっていますが、 もし朝日新聞のCustomerの「強み」が「好奇心旺盛な知識層」で、Companyとしての「強み」も「深い分析」にあるのであれば、「他の新聞が一般的な大衆向けの情報提供を強化」しても競合しないのではないかと思います。 逆に他社が知識層向けの深い洞察を出し始めたら脅威ですが、他者が「一般的な大衆」に向けて「浅い情報」を強化するのならば脅威にならないのではないでしょうか。
たしかに、Aさんが指摘するように、ChatGPTの分析は論理的に矛盾しているように感じます。そこで、ChatGPTに「このような指摘についてどう考えますか?」と質問してみました。
ChatGPTは次のように答えました。
好感が持てるChatGPTの回答
この指摘に関しては、おっしゃる通りです。朝日新聞がターゲットとしている知識層や専門家に対して、深い分析や独自取材に基づく記事を提供しているため、競合他社が一般的な大衆向けの情報提供を強化しても、朝日新聞に対して直接的な脅威にはなりにくいでしょう。
私の記載した競合に関する弱みの部分については、誤解を招く表現がありました。正しくは、「競合他社が同様に知識層や専門家向けの深い分析や独自取材に基づく記事を強化する場合、朝日新聞は競合との差別化が難しくなる場合があります」という表現が適切でした。
今後の分析においては、より正確な表現を心掛け、誤解を招かないように努めます。ご指摘いただき、ありがとうございます。
ChatGPTはあっさりと自分の説明の誤りを認め、「今後の分析においては、より正確な表現を心掛け、誤解を招かないように努めます」と殊勝な姿勢を示しました。このあたり、人間よりも素直で、好感が持てます。
何かわからないことがあったら、人に聞くよりもChatGPTに聞いたほうが精神的に楽だ。そう考える人が今後増えていくのではないかと推測します。
新人社員のように素直なChatGPTの回答
某新聞社の社員Bさんの指摘
ところで、さきほど紹介した朝日新聞の3C分析について、某新聞社の社員Bさんからこんな感想をもらいました。
ChatGPTの3C分析は、議論のたたき台にするには十分かもしれませんが、もっと深みが欲しいですね。1つは、実数。部数とか売上も世の中に公表されているので、拾ってきてもらいたいところです。2つ目として、現在の3Cにいたっているのは、歴史の中での合理的結果であり、そのあたりの分析や言及もほしいところです。たとえば、朝日新聞の場合、甲子園に絡めたキャンペーンなどがあります。それが現在の顧客とどのような関係にあるのか、とかですね。
やっぱり素直なChatGPT
この指摘に対して、ChatGPTはどう考えるのか? こちらについても聞いてみました。ChatGPTの回答は次の通りです。