名古屋発、災害と向き合うジャーナリストの葛藤と希望

「ライオンが逃げた」「偽の救助要請がSNSに拡散」——災害のたびに繰り返される“デマ”の数々。それはなぜ起きるのか、どう向き合うべきか。そんな問いに迫る一冊が『災害とデマ』(堀潤著)。堀さんと同じく災害報道に携わるジャーナリストが刺激を受けたポイントとは?
亀松太郎 2025.05.02
誰でも

あしたメディア研究会にゆかりのあるメディア関係者が「イチオシの本」を紹介しながら、その本の魅力や自身の活動について語るポッドキャスト番組「メディアびとブックトーク」。第5回のゲストは、名古屋を拠点に環境・防災・地域報道に取り組むフリージャーナリストの関口威人さんです。

地元の仲間とともに記者会見「ライブ配信」に取り組む

中日新聞の記者として11年間働いたのち、フリーランスとなった関口さん。Yahoo!ニュースなどで、被災地や地域行政の現状を丹念に発信してきました。

そんな関口さんが紹介する『災害とデマ』は、ジャーナリスト・堀潤さんによる最新刊。災害時のSNS上の混乱や戦争をめぐる情報戦を追いながら、「フェイクニュース」が人命を奪い、社会を変えていく構造をあぶり出します。

関口さんが「刺激を受けた」と語るのが、堀さんの現場密着型の取材と市民ジャーナリズムの実践。「距離を取りながらも、現実を動かす力を持つ発信」に共鳴しつつも、自身は「取材対象と一体化しすぎずに客観性を保ちたい」と、独自のバランスを模索しています。

地元の記者や編集者、カメラマンらと立ち上げた「なごやメディア研究会」では、新しいメディアの動きを探りながら、記者会見のライブ配信にも取り組んでいます。「東京中心」の構造を越えて、地域からの発信力をどう高めるかというテーマに向き合い続けています。

堀さんの活動をヒントに、新たなプロジェクトの構想を描く関口さん。着実に歩みを進めるジャーナリストのトークをお聴きください。

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