橋の下の老人が語った破天荒人生 フリーライターが学んだ表現の極意

「あんたはどこかな? はァ長州か、長州かな」。盲目の老人が語る破天荒な半生記など、古き日本の名もなき人々の暮らしぶりを記録した『忘れられた日本人』。民俗学者・宮本常一の名著からフリーのカメラマン兼ライターが学んだ「表現の極意」とは?
亀松太郎 2025.08.27
誰でも

あしたメディア研究会にゆかりのあるメディア関係者が「イチオシの本」を紹介しながら、その本の魅力や自身の活動について語るポッドキャスト番組「メディアびとブックトーク」。第7回のゲストは、愛知県春日井市在住のカメラマン兼ライターの夏目健司さんです。

「何度読み返しても飽きない」老人の独白

バイクや車の雑誌を中心にフリーランスで活動してきた夏目さん。友人から勧められて読んだのが『忘れられた日本人』でした。

13篇の作品がおさめられている中で、特に心を奪われたのが「土佐源氏」。高知の山間部、橋の下で暮らす盲目の老人が、若いころの色事や恋愛を土佐弁で語りつくす短編です。本人の言葉だけで構成されたモノローグ。「全部一人称で語らせるという手法が面白い」と夏目さんは話します。

方言で書かれているにもかかわらず読みやすく、何度読み返しても飽きない魅力があるといいます。名もなき庶民の半生を鮮やかに描いた「小文字の歴史」。宮本常一の取材力と表現力に、ライターとして衝撃を受けました。

激変する雑誌業界で模索する新たな道

仕事面では、紙媒体からウェブへの移行という業界の大きな変化に直面している夏目さん。取引先の老舗出版社が紙の雑誌を廃止してウェブ媒体に切り替えるなど、発行形態の変更が進んでいます。

「広告ありきの世界」というバイク・車雑誌では、クライアントの意向に左右されがちな現実もあります。そんな中で夏目さんは、ウェブ比率の増加に対応しながら、個人でバイク動画を作るなど新たな表現手段を模索しています。

『忘れられた日本人』から学んだ表現手法と、激変するメディア環境での生き残りをかけた挑戦。地方を拠点に活動するフリーランスの率直な思いをお聞きください。

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