「AIテレビ欄」をつくろう──新聞の「眠れる資産」をAIで再利用する

先週土曜の夜、テレビ東京の「アド街ック天国」にチャンネルを合わせました。高円寺が特集されていたからです。
東京都杉並区の高円寺は、暮らしたことがある街であり、毎年、阿波おどりも見に行っています。これは見なければ、と思いました。
ところが、番組に気づいたのが遅かったのです。テレビをつけたときには、もう番組は終盤。結局、5分ほどしか見ることができませんでした。
「ああ、最初から見たかったな」
そう思ってTVerを探してみると、ちゃんと配信されていました。おかげで最初から見ることができました。
考えてみれば、これは今や珍しいことではありません。テレビ番組は「その時間にテレビの前に座って見るもの」ではなくなっています。
TVerやNHK ONE、YouTube、Netflixなどを使えば、好きな時間に好きな番組を見ることができます。私自身、リアルタイムでテレビを見る機会はかなり減りました。
しかし、気になることがあります。「見たい番組を、どうやって見つけるのか?」ということです。
「検索」と「レコメンド」だけでは不十分
現在、動画を見る方法は大きく二つあります。
一つは、検索です。「大谷翔平」「高円寺」「料理」など、見たいものが決まっていれば検索できます。
もう一つは、レコメンドです。YouTubeやNetflixなどが、「あなたはこれも好きでしょう」と候補を出してくれます。
どちらも便利ですが、十分ではありません。
たとえば、「今日は何となくスポーツを見たい」「昔の東京について面白い番組があれば見たい」「ちょっと笑えるドキュメンタリーはないかな」と思ったとします。
こんなとき、検索窓に何と入力すればいいのでしょう。
「昔の東京 面白い ドキュメンタリー」?
検索語を考えているうちに、もう見る気がなくなってしまいそうです。
一方、動画サービスのレコメンドは、そのサービスの中で完結しています。YouTubeならYouTube、NetflixならNetflixです。
ところが、自分の好みにあった面白い番組が、そのサービスで配信されているとは限りません。
「大谷について何か面白いものが見たい」と思ったとき、その候補は、NHK ONEにあるかもしれないし、TVerにあるかもしれない。あるいは、YouTubeか、Netflixにあるのかもしれない。
でも、サービスごとに探し回るのは、なかなか面倒です。そこで、こんなサービスがあってもいいのではないかと思います。
「AIテレビ欄」です。
「何か面白いものない?」と聞けばいい
例えば、新聞社のウェブサイトに「AIテレビ欄」というコーナーがあって、そこにいくと、ChatGPTのようなチャットの入力欄が設けられています。
「今日、何か面白いドラマない?」
「大谷について見たいんだけど」
「高円寺に関する番組、最近あった?」
「寝る前に30分くらいで見られるものない?」
こんなふうに尋ねます。
するとAIが、テレビ番組のデータを検索して答えてくれます。
「今夜、NHKで大谷選手の試合中継があります」
「先週、日テレで放送された大谷選手のドキュメンタリーがTVerで見られます」
「以前、TBSで放送された関連番組もあります」
といった具合です。そして、そこには「見る」というボタンがあります。
タップすると、TVerやNHK ONE、Netflixなど、その番組を配信しているサービスに飛ぶことができる。AIとの対話はスマホで行い、「見る」ボタンをタップすると、テレビの大画面がその番組に切り替わる──というように、スマホとテレビが連動していたら最高です。
つまり、AIが「何を見るか」を探してくれて、「どこで見るか」まで案内してくれるわけです。これは、今のテレビ番組の視聴スタイルにかなり合っているのではないでしょうか。

新しい時代の「テレビ欄」が求められている
問題は、なぜ新聞社がそんなサービスをやるのか、ということです。